「美術館女子」という企画がたいへんな批判にさらされている。ご存知の読者も多いかもしれないが、簡単にことの顛末を説明しよう。 これは読売新聞オンラインと全国約150の公立美術館が加盟する美術館連絡協議会(以下、美連協)が企画した新プロジェクトである。 AKB48の所属アイドルが各地の美術館を訪れて、自身と展示物を一緒に写した「インスタ映え」する写真を公開することで、コロナ感染対策として閉幕直前に再開をむかえた展覧会への来場者数、とりわけ若年層の獲得を目論んだものだ。 しかし、発表されるや否や、女性が「見られる対象」であり、かつ若いアイドルがあたかも「無知な観客」である、といったジェンダーバイアスのかかった女性表象や、そこに見え隠れする日本の美術界の男女格差、またインスタ映え目的に美術館を訪れるという浅薄な動機などが主な批判の的になった。 これらを受けて、読売、美連協は「今後のことについては、