熊本氏 我々の製品はよくデザイン家電と呼ばれます。ですが、我々の目的は「格好いいモノ」をつくって、「格好いい人」たちに「格好よく売る」ことではありません。現在の家電メーカーのマスプロダクトの製品に満足していない人たちに向けて、「ここの製品じゃないと嫌」と言ってもらえる製品を提供することが、我々が会社を立ち上げた意味であり、存在価値だと思っています。 現在の日本の家電業界は、変わってきた時代や消費者にフィットできない構造になってきています。 ひとつは、マスマーケティングの問題です。マスマーケティングにはマスマーケティングの価値がありますが、今やそれだけで完結する時代ではなくなりました。自動車ならば、コストパフォーマンスの高い「カローラ」だけでなく、作り手のこだわりが感じられる「ポルシェ」もあれば他にも色々選択肢があります。けれども今の家電業界は、消費者の観点からみると圧倒的に選択肢が少な