よく知られているように。そう。よく知られているのです。 よく知られているように、いわば実利的な技術と区別して美的技術fine artという概念が出現したのは18世紀のことだ。しかし実利的技術としてのapplied artがより明確な領域として示されるようになったのは、19世紀の前半、産業革命を背景にしていた。 こういう「よく知られたこと」も知らずに、アートとデザインの区別をどっちが上だとか下だとか言う無知はいったいなんなんでしょう。ものを知らなすぎです。 去勢うんぬんをいうのであれば、まさに18世紀に実利的な技術と区別された時点でアートは去勢されているわけです。その純粋さ(fineさ)こそ去勢の結果だということを知らないというのはどうなんでしょうか? 去勢された美術当初、産業革命が起こった頃、産業による製品は著しく美的な質に劣っていた。伝統的な製品のデザインを近代以前として捨て去ってはみた