炎天下の道を日陰を探しながら歩くように、 どんなささやかな涼でもありがたく感じる今夏の暑さ。 こういう暑さがあるからこそ、私たちの身の回りの品々には季節感があり、 その風合いを愛でる喜びもあるのだろうと思います。 だけどそろそろ「もういい加減にしてよ」と言いたいのが、正直なところ。 8月の「土曜の夕べ」は、「白磁染付と麻の染物」。 時節にふさわしい涼やかなお題目でおこなわれました。 第1部「白磁染付」 (願わくば、蕎麦猪口一つひとつに全国各地の地酒(冷酒)を注いで、聞き酒してみたい) 蕎麦猪口はいつ頃から? 「日本国中どんなに痩せた土地でも蕎麦は育つので、古伊万里の蕎麦猪口は北前船によって江戸時代から流通していた」と思われがちですが、蕎麦を打ち、つゆにつけて食べるといういなせな食べ方をするようになったのは、江戸末期。それまでは蕎麦を団子状にしたソバガキだったそうです。 ですから、蕎麦猪口と