東京の大病院の門を叩いてから一年と一ヶ月。ぼくはまた、内科外来の長椅子に座っていた。担当の先生が、ドアを開けて名前を呼ぶ。一礼して診察室に入ると、すかさず机の上の血液検査結果に目を走らせる。そこにあったのは、先週よりさらに低下していた血小板の数値。そして、白血球の数値の脇に手書きでメモられた「blast5%」の文字。それは、自分の身体がまた「あちら側」へ転落してしまったなによりの証拠だった。 「やっぱり、ですか……」 「そうですね……」 「再発、ってこと、ですよね」 「そうなります」 動揺を隠せない意識の中で、ぼくは、一週間前に先生から言われた言葉を思い出していた。 「血小板が下がっているのが気になります。原因としては、サイトメガロウイルスかもしれませんし、GVHDかもしれません。あるいは最悪、再発の可能性もありえます」 一週間前の伏線 そう、伏線は一週間前にあった。 退院三週間目の6月3

