菅義偉首相が早くも逆風にさらされている。小出しの新型コロナウイルス感染症対策は世論の離反を招き、観光支援事業「Go To トラベル」の年末年始の全国一時停止に追い込まれた。安倍晋三前首相が絡む「桜を見る会」疑惑や鶏卵生産大手「アキタフーズ」から自民党農相経験者への現金提供疑惑を巡っては東京地検特捜部の捜査が進む。「首相の大人数忘年会」にも批判が渦巻く。翻弄(ほんろう)される菅政権は、桜疑惑に関する安倍氏の国会招致という難題も待ち受ける。(共同通信=杉田雄心ほか) ▽世論調査に黙り込む 「年末年始において最大限の対策をとるため、12月28日から来年1月11日までの措置として、GoToトラベルを全国一斉に一時停止することとします」。 2020年12月14日の新型コロナ対策本部会合で、首相は少し間を取りながら語った。最近までトラベル事業へのこだわりを周囲に見せていたため、唐突な翻意となった。 「