記憶とは曖昧なもので、なおかつ茶目っ気たっぷりなヤツだ。子供の頃の出来事を事細かに憶えていられる一方で、鍵の置き場所などはすぐに忘れてしまう。 記憶にはいくつかの種類があり、脳はそれぞれに応じた忘れ方をする。心理学者は物忘れの態様を分類し、生物学者はその細胞レベルでの仕組みを研究してきた。こうして判明したことは、物忘れは正常なことであり、むしろ脳が適切に機能するためには不可欠だということだ。その物忘れに関する不思議な事実をここで学んでおこう。
何かを身につけたい時はメモを取ると効率良く学べるというのは、よく聞く話です。でも効率良く学んだからといって、その内容をきちんと記憶しているかといったら、そうとは限りません。良かれと思って取ったメモが、いわば松葉つえのような役割を果たし、その「つえ」がなくなると何も思い出せない自分に気づく、といったケースもあり得ます。 カナダのマウント・セントビンセント大学のMichelle Eskritt氏とSierra Ma氏は、メモを取った場合の脳の働きに関する研究を行いました。学術誌『Memory & Cognition』で発表された研究結果によれば、メモを取ると、脳はその情報を意図的に忘れてしまう可能性があるのだそうです。なぜなら、覚えたい情報が書きとめられ、別の場所に保存されていると認識するからです。 この研究で、被験者は記憶力の試されるトランプゲーム「神経衰弱」を何度もプレーしました。そして、
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