「経営の神様」と呼ばれた稲盛和夫氏の訃報が流れた。稲盛氏の経営塾で学んだ経営者は数多く、また多くのビジネスパーソンにとって教訓となる同氏の経営哲学には事欠かない。そこで今回は、重要な接待の場面で吉野家の牛丼を選ぶという、凡人には計り知れない「稲盛哲学」の神髄をご紹介したい。(イトモス研究所所長 小倉健一) ● 「経営の神様」と呼ばれた 稲盛和夫氏の帝王学とは? 人の上に立つとは、どんなカリスマ性が必要なのか。リーダーとは何か。リーダーはいかにあるべきか。 稲盛和夫氏がビジネス人生において考え抜いてきたこと、悩み抜いたことが「帝王学」であろう。 国際教育評論家・村田学氏の言葉を借りれば「帝王学とは、伝統のある家系・家柄などにおいて、特別な立場にある人が、その立場にふさわしい能力を養うために学ぶ全人格的な教育」のことである。今回は、「経営の神様」ともいわれ、戦後を代表する経営者・稲盛和夫氏の「