トヨタ自動車が、富士重工業への出資拡大を目指し、最終調整を進めている。出資比率を現在の8.7%から17%程度に引き上げる見通しで、出資額は約300億円にのぼるとみられる。富士重との関係強化で、生産・開発能力を強め、米ゼネラル・モーターズ(GM)に勝る世界のトップメーカーとしての不動の立場を確保する狙いとみられる。 トヨタの伝統的な手法は変化、スピードを重視 トヨタは2005年、富士重がGMとの資本提携を解消したのをきっかけに、富士重と資本・業務提携した。GMは当時、富士重株約20%を保有しており、すべてを売却したい意向とされた。しかいし、トヨタは20%を取得すれば公正取引委員会の審査が長引く可能性があったため、8.7%だけを取得、富士重が残りのほとんどを取得し「金庫株」として塩漬けにしていた。 トヨタの提携戦略はかつて、長い時間をかけて経営哲学や生産手法などを相手企業に伝える方式を進めてき