【略歴】 1957年東京都生まれ。東京大学経済学部卒。日本専売公社、日本経済研究センター(出向)、経済企画庁総合計画局(出向)、三井情報開発総合研究所、三和総合研究所(現:UFJ総合研究所)を経て2007年4月独立。獨協大学経済学部教授。テレビ朝日「スーパーモーニング」コメンテーターのほか、テレビ、雑誌などで活躍。 専門分野はマクロ経済学、計量経済学、労働経済、教育計画。そのほかに金融、恋愛、オタク系グッズなど、多くの分野で論評を展開している。日本人のラテン化が年来の主張。 【ホームページ】 http://www.rivo.mediatti.net/~morinaga/takuro.html (森永卓郎氏のページ) 【主な著作】 『「所得半減」経済学』 徳間書店 2004年12月 『「家計破綻」に負けない経済学』 講談社現代新書 2004年11月 『辞める
日本の税制が低所得者を保護している例として、よく次のようなことがいわれる。 1.日本の課税最低限は諸外国に比べて高い 2.日本の税制は累進課税になっている 1は、分かりやすく言い換えると、「あなたは稼ぎが少ないから税金を払わなくてもいいですよ」という収入の水準(課税最低限)が、日本は諸外国よりも高く設定されている、という意味だ。 2は、簡単に言えば、「貧乏人はあまり税金を払わなくてもいいが、金持ちになればなるほど高い比率で税金を払っている」という意味である。 どちらも事実であれば、日本の税制は低所得者に優しい制度であるということになる。どうも、日本人の7割から8割が、こうした「神話」を信じているようだ。そのため、政治家からさえも、次のような議論が出てくる。 「日本は低所得者に甘い税制になっており、お金がない人が税金を支払っていない。だから給与所得控除、配偶者控除、特
「ニッケル・アンド・ダイムド」 バーバラ・エーレンライク著 曽田和子訳 東洋経済新報社 2006年8月発行 1890円(税込み) 現場労働に自尊心や尊敬はあるのか 「職業に貴賤(きせん)なし」とはいうが、実際問題としてこの社会には、「大多数が憧れる職業」と「大多数が、できればやりたくないと考える職業」が存在する。芸能人のことを最近では「セレブ」などと呼ぶが、語源である「celebrity」は名声や名士を意味する。尊敬される人ということだ。一方で、かつての3K(きつい、汚い、危険)労働という言葉で語られたような現場作業の仕事も存在する。 セレブにせよ、3K労働にせよ、わたしはどことなく嫌な語感を感じる。それは「職業に貴賤なし」という建前とは別の「職業に貴賤あり」という現状を示しており、同時にその現状を肯定し「自分はセレブになりたい」「自分は3K労働に従事したくない」
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