昨日の続き。坂本龍一とレゲエ - 蒼猴軒日録を承けて、だらだらと。 昨日書いていた音程の高低による「上下」の感覚において重要なのは、ダブで言う「抜き」――ある楽器の音を急に消すこと――だと思う。たとえば持続するフレーズを奏でていたベース――レゲエの基部をなすもの――が突然取り払われることによって起こる平衡感の喪失を考えてみたらいいだろう。足下をすくわれ、空中に放り出されたようなあの感覚(身体が分断される感覚といってもいいか)。そしてベースが戻ってきたときの安定感/秩序の回復。これらも空間性を際だたせるものとなるような気がする。 レゲエは、もっと正確に言うとサウンド・システムで聴く/体感するレゲエにおける「上下」ということについて書いたけど、さらに重要なのは「奥行き」の感覚。これはエフェクト、とくに過度に深く掛けられたリヴァーブなどのアンビエント系エフェクトによってもたらされることが多いと思