グラフィティについての僕の立場は、「グラフィティは芸術だから保護しろ」などというものなのではまったくなく、単に「グラフィティはある一定の社会的機能を果たしているのだから、そのことをとりあえずは認識しよう」というもの(というか、グラフィティが芸術かどうか、なんて議論はかなりどうでもいい)。ちなみにグラフィティの「精神論」なるものにもあまり興味はない。というか、彼/女らがどのような個別的なエートスに基づいてグラフィティに携わっているのか、という点については興味があるけれど、グラフィティ「一般」がどのような「精神論」を内包しているのか、ということは僕の興味の対象ではない。 グラフィティをめぐる議論において時たま「不毛だなぁ」と思うのは、多くの人がグラフィティそのものに対して価値判断を下すものの、「ではどうしたらグラフィティの「被害」から免れることができるのか?」という議論が出てこないところ。「グ