世界自然遺産の東京・小笠原諸島で、絶滅が心配されている島の固有種に異変が起きている。 これまで「食物連鎖」の頂点に君臨してきた、野生化したネコの捕獲が進み、アカガシラカラスバトの生息数が一気に回復。その一方で、シマホザキランの減少に歯止めがかからない。原因はネコと同じ外来種のネズミ。“天敵”が減ったことで生息地を広げる一方だが、有効な手立てもなく、専門家も頭を抱えている。 ◆40羽→100羽 カラスバトは2008年度に林野庁が行った調査では、小笠原諸島全体で40羽程度まで減少。一時はほとんど目にすることがなくなった。原因はカラスバトを捕食する野生のネコ。ペットとして持ち込まれた一部が野生化し、天敵がいないことから食物連鎖の頂点に立った。 環境省や小笠原村などがネコの捕獲作戦を始めたのは05年から。山林にわなを仕掛け、捕獲したネコは船で都内に移送後、東京都獣医師会を通じて希望者に引き渡してき