事件発覚後、一カ月足らずでスピード執筆し昨年11月に出した拙著『検察に、殺される』(ベスト新書、税込み780円)のPRです。版元に刺激的なタイトルをつけられましたが、朝日新聞による世紀の大スクープが司法界を揺るがした大阪地検特捜部の証拠改ざん問題がテーマ。 前田恒彦・元検事の改ざんを隠蔽したとの「犯人隠避罪」で最高検に逮捕・起訴された大坪弘道・元特捜部長を1月29日の大阪拘置所からの保釈で初めて目の当たりにした。 記者会見で「拘置所にいて村木さん(郵便不正事件で特捜部に逮捕・起訴され冤罪を晴らした村木厚子厚生労働省元局長)の気持ちがわかった。本当に申し訳ない」と話す目元が赤かった。悪い男ではないという印象だった。 私の古くからの友人に大坪氏と司法修習の同期の元検事で現在、関東で弁護士をしている男がいる。彼が私にこう語った。「彼が念願の大阪地検特捜部に抜擢された時、同期で祝ったが正直驚いた。