50代以上の人なら、中央大学といえば、神田駿河台が本拠で、司法試験の合格者数がトップだった「法科」の印象をもっているだろう。 しかし、1978年には、理工学部を除いて八王子市の多摩キャンパスに全面移転した。その後、他の大学も郊外に移転したもののおおむね学部の新設や1〜2年という例が多く、中大がもっとも劇的な郊外移転だったといえる。 背景には、都心にキャンパスが新設できない規制があったためだが、それもいまはなく、キャンパスの再編で都心に戻る大学が少なくない。そのなかで、中大は八王子市の大学として根を下ろす一方で、司法試験は法科大学院による法曹育成という新局面に変化しているため、社会に与える印象は以前とは異なっている。 6月29日、中央大学が、報道関係者との懇談会を駿河台で開き、永井和之学長らによる大学の現状説明があった。学長からは、東日本大震災への対応や対策、さらに今年度の中大の取り組