「これが高いと国民生活は悲惨で、低いと楽になることを示す」とされる経済指数「悲惨指数」が、歴史的な低水準まで改善している。悲惨指数は失業率と物価上昇率(前年同月比)を単純に足した数値。政府が28日発表した今年9月の完全失業率は前月比0.1ポイント改善の3.0%、全国消費者物価指数は前月と同じマイナス0.5%で、悲惨指数は「2.5」まで低下。バブル期で、29年前の1987年3月に付けた「2.4」に迫る低い数値になった。通常は失業率も物価も下がれば、国民の生活は楽になるはずだが「苦しい」「悲惨なままだ」と感じる人も少なくない。なぜか。 九月の悲惨指数が二十九年六カ月前に迫る低水準になった。それでも「生活が苦しい」と感じる人が多い理由は何か。専門家は「賃金の上昇が不十分なことが最大の要因」と分析する。 九月の悲惨指数は「2・5」。「アベノミクス」が始まった二〇一二年末以降では円安で物価が上がった