サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコの株価が8日、初めて新規株式公開(IPO)価格を下回った。世界の原油市場が価格戦争に突入するとの懸念が同社の先行きに影を落としている。 アラムコ株はリヤド市場で一時9.4%下落し、終値は9.1%安の30リヤル。同社株は昨年12月11日に上場、IPO価格は32リヤルだった。 サウジが代表油種の公式販売価格(OSP)について過去30年余りで最大の値下げに踏み切ったことを受け、中東諸国の株式市場は8日に急落。サウジのタダウル全株指数は8.3%安で取引を終了した。 アラムコの株価は上場後の2日間で約20%上昇し、ムハンマド皇太子が掲げていた時価総額目標2兆ドル(約208兆円)を達成していた。皇太子は経済の多角化を図り石油依存から脱却する戦略を掲げており、アラムコIPOをその中心に据えていた。
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