売り物だった価格破壊路線が破綻し、通信品質はなかなか改善せず、激安料金に胸躍らせた顧客の解約が相次ぐ。実店舗の大幅削減や要員のリストラを余儀なくされ、そのうえ幹部が巨額詐欺事件を起こしてブランドイメージは地に落ち……そして2022年12月期決算は過去最悪の4928億円という巨額の赤字を計上した。 楽天グループの総売上高は1兆9278億円と過去最高になったが、「楽天市場」などのネット事業782億円、「楽天カード」などの金融事業987億円の黒字を吹き飛ばし、グループ全体の連結決算は4期連続の赤字で、しかも3728億円と過去最大になった。 このままでは、三木谷浩史会長兼社長の肝いりで取り組んだ携帯電話事業が、楽天グループの屋台骨を揺るがす「大きなお荷物」になってしまいかねない。 春は毎年、入学・進級や就職で新入学生や新社会人が誕生するため、もっとも新規契約が伸びる季節といわれるだけに、反転攻勢の