久々に渋い!と思わせてくれる作品でした。 この渋さは、人生の襞を感じさせるマリアンヌ・フェイスフルの、彼女のハスキー・ボイスにもにた存在感と、本作が長編2作目とは思えないサム・ガルバルスキー監督の確かな演出センスと、ロンドンとその郊外を舞台にした落ち着いた雰囲気からくるんだろうなって思う。風俗店のオーナーを演じるミキ・マノイロヴィッチの味がさらに加わる。 かつてエンジェル・ボリスといわれたマリアンヌ・フェイスフルが、アルコールとドラッグで声を潰し、そしてそのハスキー・ボイスが、今では人生の深みを感じさせる艶を感じさせる。 そのフェイスフルの柔らかいハスキー・ボイスと、こつこつと人生を歩んできたように、一歩一歩踏み外さないようにこつこつと歩くフェイスフルが演じるマギーの姿とが重なる。 「君の歩き方が好きだ」というミキの一言も効いている。 孫の手術費を稼ぐため、それまで無縁だった性風俗店で働き