→紀伊國屋ウェブストアで購入 「顕示的消費」とはヴェブレンの『有閑階級の理論』で広く知られるようになった言葉で、ブランド品や贅沢品を社会的地位を誇示するために買うことをいう。要するに無駄遣いだが、今日の消費社会は無駄遣いで回っており、顕示的消費なしには成立たない。 本書は顕示的消費がどのように考えられてきたかを資本主義の黎明期にさかのぼって追跡した本である。おなじみの名前が意外な形で登場してくるが、顕示的消費が最近まで経済学にとってできれば無視したい喉に刺さったトゲでありつづけたことがよくわかる。 17世紀のダッドリー・ノース卿から現代のミクロ経済学まで400年の歴史をあつかっているが、画期をなすのはマンデヴィルとヴェブレンである。大まかにいえば顕示的消費の経済学はマンデヴィル以前、マンデヴィルからヴェブレンまで、ヴェブレン以後の三期にわかれる。 経済についての自覚的な考察は重商主義にはじ
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