ええ。 開発の責任者みたいになって、 なんとなく名刺には課長と書いてあって、 それが開発部長になったみたいなところです。 最初はそういう 「岩田くん」という若者だったんですね。 そんなうちに、 「岩田っていうものがおるんや」と、 任天堂の上層部の知るところにまで 入っていくわけですか。 たとえば昔、 ブラインドタッチでタイピングをする人って、 少なかったんです。 それでわたしが任天堂に プログラムのしあげでくるじゃないですか。 機械をガーッとたたいていると 「ものすごいスピードでタイプする」 ということが、 まるで見せもののようになるんです。 いろんな人がいれかわりたちかわり 部屋にやってきては 「ほんとだ、はやい」といって帰っていくんです。 そういう時代でした(笑)。