アニメ『ケロロ軍曹』の西澤桃華役などで知られる声優・池澤春菜が初の書評集を刊行した。タイトルはずばり『乙女の読書道』(本の雑誌社)。 「えっ、あの声優さんが書評集?」と思われた方もいるかもしれない。そう、池澤は年間300冊から500冊の本を読み漁る、プロの書評家も裸足で逃げ出すくらいの読書家なのだ。彼女の好むジャンルは海外SF、ファンタジーで、現在日本SF作家クラブ会員でもある。そもそも父は芥川賞作家の池澤夏樹、祖父も作家の福永武彦と、池澤は文筆家の家系に生まれ育った人物。これだけ堂の入った読書家が誕生するのも納得だ。 今回の『乙女の読書道』(本の雑誌社)は雑誌『本の雑誌』(本の雑誌社)に2009年より連載されたコラムをまとめたものである。紹介されている本は全部で60冊。重厚長大な未来叙事詩『ハイペリオン』(ダン・シモンズ:著、酒井昭伸:訳/早川書房)を筆頭に、R・A・ハインラインやサミュ