上田誠(ヨーロッパ企画)と岸田繁(くるり)の対談は、初対面にもかかわらず心地よく響きあい、大いに盛り上がった。両者ともに京都で生まれ育った同世代とはいえ、作家としての共通点も不思議と多かった二人。本稿では両者を結んだ映画『リバー、流れないでよ』にちなんで、「創作と時間」をテーマに展開した対話をお届けする(※)。 ―ヨーロッパ企画による初の長編映画『ドロステのはてで僕ら』(2020年)と『リバー、流れないでよ』の共通点は、かたや「2分間のズレ」、かたや「2分間の繰り返し」というかたちで、どちらも2分という時間を扱っていることです。なぜ「2分」なのでしょうか? 上田:2分って、ワンカットでギリギリつくり込める尺なんです。3分や5分だと精度が落ちるし、短すぎるとどこまでもこだわれてしまうんですが、2分はコントロールしきれるかどうかという尺。今回はタイムループだし、2分なら箱庭感を保てるだろうと思