もののまぎれは、『源氏物語』に記された3つの事件で起こった事象を言い、中でも藤壺事件に伴う事象を言う[1]。『源氏物語』において重要な概念とされ、時に「主題である」とされることもある語である。 藤壺事件 光源氏が義母である藤壺と密通し、その結果表向きには桐壺帝の子であるが実は光源氏の子である皇子が生まれ、その皇子が冷泉帝として即位し、冷泉帝が自身の出生の秘密を知ったことにより実父である光源氏に譲位しようとしたが叶わずその代わりに光源氏を太上天皇に准ずる待遇(准太上天皇)にした。 女三宮事件 柏木が光源氏の正妻である女三宮と密通し、その結果表向きは光源氏の子であるが実は柏木の子である薫が生まれた。 浮舟事件 浮舟が薫だと思って匂宮を迎え入れてしまった。 「もののまぎれ」という語は、国語的・辞書的な意味では 物事の忙しさなどにとりまぎれること(=どさくさまぎれ) 人目に隠れてひそかに事を行うこ