将棋のトップ棋士として長年活躍し、今月末の引退を表明していた内藤國雄九段(75)=西宮市=が12日、大阪市福島区の関西将棋会館で指された竜王戦の公式戦で敗れ、現役最後の対局を終えた。同時に史上3人目の通算千敗を記録し、56年余りにわたった現役生活に終止符を打った。 この日、竜王戦6組の昇級者決定戦トーナメント1回戦で中田功七段(47)と対戦。激しい攻め合いの末に押し切られ、午後3時12分、94手で投了した。「戦う気持ちが年々薄れてきた。これでは勝てない」と淡々と話した。引退は31日付。 神戸市灘区出身。故藤内金吾八段門下で、阪田三吉の孫弟子に当たる。1958年、18歳でプロ入り。七大タイトル戦には13回登場し、72年と82年に王位、69年と73年に棋聖を獲得した。トップリーグのA級順位戦には通算17期在籍。「自在流」と呼ばれる華麗な攻めが人気を集めた。通算勝ち数は歴代6位の1132勝。現役