今年も「サクラサク」の季節がやってきた。そう、大学の合格発表だ。東京大学も例年通り3月10日に、2次試験の合格者を発表する。だが、今年はその「発表の風景」が大きく異なるものになりそうだ。というのも、毎年本郷キャンパスで行われていた「合格番号の掲示」が取りやめになり、ネットでの発表のみになったからだ。 東大に入学する人にとって、合格発表は間違いなく忘れられない思い出となる。私もちょうど20年前の1994年3月10日、本郷キャンパスの赤門をくぐり、胸の高鳴りを感じながら、合格発表の掲示板を目指した。自分の名前をそこに見つけたときは、頭が真っ白になった(当時はまだ名前も掲示していた)。気がつけば周りには、同じように喜ぶ受験生や、万歳三唱やら胴上げやらで祝福してくれる先輩たち(多くがアメフト部などの体育会)、そしてそれをカメラに収める報道関係者。涙をこらえながら、公衆電話で両親や高校の恩師に報告し