国家が自国を守るために他国へ武力を行使する権利、すなわち「自衛権」はどういうタイミングで発動できるのでしょうか。これについて、かつて日本の国会で真珠湾攻撃を例に議論されたことがありました。その顛末を解説します。 国会で繰り広げられた真珠湾攻撃の「もしも」 1941(昭和16)年12月8日(日本時間)、アメリカ太平洋艦隊の根拠地であるハワイ諸島オアフ島の真珠湾を日本海軍の空母機動部隊が奇襲攻撃しました。これによって、以降3年9か月にわたる太平洋戦争の幕が切って落とされることになります。 拡大画像 1941年12月8日(日本時間)、日本軍は米軍の軍事拠点であるハワイ 真珠湾を攻撃。太平洋戦争の火蓋が切って落とされた(画像:アメリカ国立公文書記録管理局)。 この真珠湾攻撃を含む太平洋戦争に関しては、「もしもあの時〇〇だったら……」ということを描く、いわゆる「架空戦記」がいくつも生み出されてきまし