多くの自治体が改革に取り組む。なかでも選挙によるトップの交代や不祥事を機に始まった改革には勢いがある。だが改革には失敗も多い。特に持久戦で抵抗勢力に敗れることが多い。筆者は官民さまざまな組織の改革に軍師として関わってきた。そこから得た教訓は「改革の本質は権力闘争であり、内実は革命である」ということである。 改革では前例を打破し、既得権益を剥がし、仕事や事業のパラダイムを変える。この作業には数年を要する。だが最初の離陸過程での“仕込み”がその成否を決める。“仕込み”とは第1に守旧派の権力基盤の破壊、第2に課題の発掘と情報公開、第3に外からの評価の獲得である。 制度改革で守旧派の権力基盤を破壊する 当初は改革者は弱小で守旧派は強大である。改革者は権力を得たらすぐに守旧派の権力基盤の破壊を図る。自治体改革の場合は、制度改革をやる。例えば(1)情報公開条例の内容強化、(2)補助金審査プロセスの公開