2020年東京五輪・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場の建設を巡り、下村文部科学相が29日、計画見直し案を明らかにし、デザイン変更を見送ったことで、総工費は895億円増の2520億円まで膨れ上がった。 完成時期も2か月遅れの19年5月末。五輪後に先送りされた開閉式屋根の設置費用はこれに含まれず、最終的な費用が確定しないまま建設を急ぐ形となった。 この日午前、下村文科相は、大会組織委員会の調整会議で見直し案を説明。費用高騰の要因となった巨大アーチ構造などは現行案のままで、8万人収容だった観客席は、可動式の1万5000席分を仮設席に変更する。下村文科相は、デザインを大幅に変更しない理由として、19年9月開幕のラグビーワールドカップ(W杯)に間に合わせるためだとした。