年末年始は、餅を詰まらせる事故や飲み過ぎによる急性アルコール中毒が急増します。トラブル回避のポイントや、万が一の時の対処法をまとめました。 餅による窒息事故は、食べる機会が多い年末年始に相次ぐ。全国データはないが、東京消防庁管内では2011~15年、餅などを詰まらせて562人が救急搬送された。このうち45人は、病院に搬送された時には死亡していた。 搬送された人の9割が65歳以上で、月別では12月と1月で全体の半数を占めた。 昭和大学の向井美恵(よしはる)名誉教授(口腔〈こうくう〉衛生学)によると、窒息事故は、食道を通るはずの食品が気道を塞いで呼吸ができなくなることで起こる。詰め込んで食べたり、食べている途中に急に上を向いたり、おしゃべりしていて息継ぎしたりすることで生じる。 特に高齢者の場合は一般的に、筋力低下や歯の欠損などで、かむ力やのみ込む力、詰まりかけた時にせきをする力が弱い