2014-07-15 蜜集め ニンゲン 前回はここぞという場で引き返すことならず、妻子と生き別れた一羽の雉 (キジ)についてお話しした。この雉はおそらく当時の情況を分析し、自分の 犯した致命的なミスを反省し、再会を夢見て日々切れのあるターンの練習を していたのだろう。さてこの雉は実在するが、彼にまつわるドラマはすべて 私の妄想が創り出したお話、お噺である。路上で繰り返されたターンは突然 変異の方向感覚喪失によるさらなる悲劇だったのかもしれないし、一時連れ だった雌二羽は、恋愛の対称にならんただの幼なじみだったのかもしれない。 真実は私が足を踏み入れることの一生ないだろう薮にあるのだ。 人間には他の動物を観察し、その容姿や習性に意味を見出して諺まで生む これまた習性がある。 蟻の如く働く、馬の耳にも念仏、猫に小判、犬も歩けば棒に当たる、猫か ぶり、猫の手も借りたい、狸寝入り、猫の額ほど… (