北海道の広大な農地を縦走する2台のトラクタ。よく見ると、前方のトラクタには運転者がいない。無人トラクタの実証実験の風景だ。ロボット技術と情報通信技術を活用した、先進テクノロジーの現状を追う。 北海道の広大な農地を活用したロボットの実証実験には、多くのプレイヤーが参加 今、農業の担い手不足や高齢化、耕作放棄地などの問題を解決する革新的なテクノロジーとして注目され、実用化の一歩手前まで来ているのが「ビークルロボット」だ。ビークルロボットとは、ロボットトラクタ、田植えロボット、ロボットコンバインなど車両系ロボット農機の総称である。 開発したのは、北海道大学大学院農学研究院の野口伸教授。野口教授が率いるビークルロボティクス研究室では、農用車両のロボット化をはじめ、農業ロボットの情報通信システム、産業用無人ヘリコプタ、生物環境情報のセンシング等の研究を行っている。 実用化に向けて安全性向上 「無人ト