「東京都は出生率が低くて未婚率も高いから、うちよりもっと少子化度合いがひどいだろう」 もし、そう考えている自治体があるならば、早急にその考え方をやめる必要がある。 自治体が自治体外との人流を考慮に入れない域内合計特殊出生率(以下、TFR)比較に翻弄されることなく、人口動態の正しい統計的理解のもとに、エリア少子化対策(自治体で生まれる子どもの実数の向上)が実施されることを願い、今回は、「都道府県市区町村における合計特殊出生率をベンチマークとした政策」からの方針転換がなぜ重要なのか、が理解可能なデータを提供したい。 最初に、そもそも「少子化対策」とは、人口の減少に直結する「出生数の減少を食い止める・出生数を増加させる」諸々の政策をいう。 この全体の戦略(strategy)の確認は非常に大切である。ゴールが異なれば、当然ながら、ゴールへの到達手段、すなわち戦術(tactics)が変わってくる。何