ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/marukawa (9)

  • 新疆の綿花畑では本当に「強制労働」が行われているのか?

    <H&Mなどの大企業が「新疆綿」の取り扱い中止を発表したことで、ウイグル族に対する人権抑圧の新たなシンボルとして綿花畑での「強制労働」が浮上したが、今のところ確固たる根拠はない> バイデン氏が大統領に就任して以来、アメリカ中国に対する圧力がエスカレートしている。バイデン政権は4月6日には北京冬季オリンピックのボイコットまで示唆した。その理由となっているのが中国新疆自治区でのウイグル族に対する人権侵害である。 ウイグル族の人々がのべ100万人も「再教育」と称して施設に長期間入れられたという話はしばらく前から欧米メディアによって伝えられてきたが、最近になってにわかに報じられ始めたのが、「新疆の綿花畑でウイグル族の人々が強制労働に従事させられている」という説である。 私は「のべ100万人の再教育」については、中国側でそれを認めるような報道もあったことだし、アメリカの女性記者による潜入ルポを見た

    新疆の綿花畑では本当に「強制労働」が行われているのか?
  • 繰り返される日本の失敗パターン

    安倍首相が発する「8割削減」のメッセージや不発に終わったマスク作戦など、旧日軍に通じる失敗も Kiyoshi Ota/REUTERS <緊急事態宣言の1カ月延長が事実上決まった。日で新型コロナウイルスへの急激な感染拡大が起きたのは中国より2カ月、韓国より1カ月遅れで、その教訓を汲んで準備を整える時間があったはずなのに、なぜ日の対応は失敗したのか> 5月1日現在、日の新型コロナウイルスへの感染者数は1万4119人、死者は435人。比較されることの多い韓国と比べて、感染者数、死者数、致死率ともに日が上回ってしまった(図1)。しかも韓国が1日の新規感染者数が1桁台になり、すでに流行をほぼ抑え込んでいるの対して、日は毎日数百人ずつ感染者数が増えつづけている。さらに気がかりなのが致死率(=死者数/感染者数)が急ピッチで上昇していることである。図1で韓国の線をみればわかるように、感染者数の

    繰り返される日本の失敗パターン
    gooseberry0726
    gooseberry0726 2020/05/03
    “蓋然性”
  • マスク不足はなぜ起き、どうやって解消すべきなのか

    新型コロナウイルスについての記者会見の後、マスクを着け直す安倍晋三首相(4月7日、首相官邸) Tomohiro Ohsumi/REUTERS <日の全世帯にマスクを配るより、その費用をマスクの増産に回せば、不足が解消できてなおお釣りがくる> 日での新型コロナウイルスへの感染確認数はクルーズ船を除いて4月12日20時現在7370人となっている。3月29日以降、日では1日12%ずつ感染確認数が増えており、今週中(4月18日まで)に1万人を超えるのはほぼ確実である。4月7日に日政府は「緊急事態宣言」を出したが、武漢やニューヨークの例から見て、強力な外出制限をかけてもその効果が現れてくるまで2週間ぐらいかかる。このまま感染爆発が4月下旬まで続き、感染者数が2万人に達する恐れさえある。 感染の懸念が高まるなか、東京では2月初旬からドラッグストアでマスクが入手しにくくなった。小売店では購入量に

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  • シェアリングエコノミーが中国で盛り上がり、日本で盛り上がらない理由 | 丸川知雄 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    <ウーバーやairbnbに代表されるシェアリングエコノミーは、車や空き部屋など余った資産を使おうという先進国の発想から誕生した。それが中国で急成長を遂げ、日ではサッパリなのはなぜか> シェアリングエコノミーという概念は、レイチェル・ボッツマンとルー・ロジャーズが2010年に刊行した『シェア』(原題What's Mine is Yours)というがきっかけで生み出された。このでは、ライドシェアのウーバー、民泊仲介のAirbnb(エアビーアンドビー)など、インターネットを介した様々なシェアリングの仕組みを紹介している。これらを総称する言葉として、同書では「協働消費(collaborative consumption)」という概念を提唱しているが、その後はむしろ「シェアリングエコノミー」という言葉のほうがよく使われるようになった。 ボッツマンとロジャーズのは、現代のアメリカやイギリスのラ

    シェアリングエコノミーが中国で盛り上がり、日本で盛り上がらない理由 | 丸川知雄 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
  • お金になりそこねた日本の「電子マネー」

    <2001年にEdy、2004年におサイフケータイが登場し、電子マネーの技術では世界の先頭を走っていたはずの日で、電子マネー乱立の事態を招き、キャッシュレス化が進まないのはなぜか。どうしたら真の電子マネーを普及させ、そのメリットを享受することができるのか> 日で2017年の1年間に利用された電子マネーの総額は5兆2000億円ほどだった(日銀行決済機構局「決済動向」)。一方、中国で2016年10月~2017年9月の1年間に利用されたスマホ・マネーの総額は1700兆円、実に日の320倍である(iResearch調べ)。 同じものどうしを比較してないじゃないか、という批判はごもっともである。日のほうはICカードやおサイフケータイを通じて使われた交通系電子マネー、楽天Edy、nanaco、WAONの支払額(ただし乗車に使われた分は含まない)、中国のほうはスマホを通じた支付宝(Alipay

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  • QRコードの普及と「おサイフケータイ」の末路

    レストランの支払いもテーブルにきたレシートのQRコードを読み込むだけ(広東省広州市) Bobby Yip- REUTERS <一時は世界的な展開を期待された「おサイフケータイ」が、スマホによる決済手段としてローテクのQRコードに凌駕されつつある。何が悪かったのか> NTTドコモは今年4月から新たなスマホ決済サービス「d払い」を始めることを発表した。スマホの画面にバーコードやQRコードを表示し、それをお店で読み取ってもらうことで商品の購入代金を支払う仕組みだとのことである。 QRコード中国のスマホ・マネーから逆輸入 これは以前このコラムで紹介した中国のスマホ・マネー、すなわち「支付宝」(アリペイ)と「微信支付」(ウィーチャットペイ)の仕組みと同じである。日人は今まで「日が先進国、中国は後進国」という序列を当然視してきたが、ことスマホ・マネーに関しては中国で成功した技術をドコモが取り入れ

    QRコードの普及と「おサイフケータイ」の末路
  • EVシフトの先に見える自動車産業の激変

    中国では自転車シェアリングの成功に刺激されて、自動車シェアリングにも多くの企業が参入している。しかもそこで使われているクルマの9割が電気自動車(EV)だ。シェア自動車とEVが組み合わされば、自動車産業のあり方を根底から覆す> ──この記事は、電気自動車(EV)戦略についての考察の後編です。前編は「中国は電気自動車(EV)に舵を切った。日の戦略は?」へ 電気自動車(EV)の最大の欠点は充電に時間がかかることである。家庭でフルに充電するには8時間、充電スタンドで「急速充電」しても40分かかる。ホンダが先だって15分で急速充電できるEVを2022年に発売すると宣言したが、それでも1分ほどで満タンになるガソリンエンジン自動車には遠く及ばない。現状では充電スタンドが少ないのも心配だが、これはEVが普及すれば自ずから解決されるだろう。しかし、充電時間は技術進歩なくしては短縮できない。 だが、もしク

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  • 自転車シェアリングが中国で成功し、日本で失敗する理由

    英マンチェスターに進出したモバイクのシェア自転車。日でも8月に札幌でサービスを開始した Phil Noble-REUTERS <日では「中国自転車シェアリングが問題を起こした」ことしか報道されないが、実際には問題をはるかに上回る社会革命を起こしている。とくに日自転車シェアリングと比べればその利便性は雲泥の差だ。ぜひ中国に行って見てきてほしい> 2016年に登場したと思ったら、あっという間にすっかり中国の都市生活に浸透した自転車シェアリング。それがいま曲がり角を迎えている。シェア自転車は、町中ですぐに見つけることができ、好きなところに乗っていって、そこで乗り捨てればいい、という便利さで多くの利用者を引きつけてきた。だがその便利さの裏側では、膨大な数の自転車が路上に放置され、通行の邪魔になるばかりでなく、視覚障害者用の点字ブロックや消火栓への通路をふさぐなどの問題が起きている。 そう

    自転車シェアリングが中国で成功し、日本で失敗する理由
  • 模倣(パクリ)は創造の始まり――マイセン磁器の歴史

    中国産磁器の模倣から出発したドイツの名窯マイセンが、高級品となり高いブランド価値を維持できている理由> 前回のこのコラムで日の某テレビ局から「パクリ大国中国」についての取材依頼のメールが届いた話を書きました。メールの文面から、どうやら番組の制作者は視聴者に中国はパクリばっかりしている国だとの印象を植え付けて蔑視しようという意図があると思われたので取材は断りました。メールをよこした人はどうやら模倣(パクリ)は悪いことだと決めてかかっており、模倣ばっかりしている連中にはろくなことがない、という認識があるようなのですが、その点からして私は別の考えを持っているので、およそ先方の期待するようなコメントはできないと思ったのです。 実は、この番組制作者と同様の認識は国際機関のエコノミストたちも持っていて、途上国に対して「知的財産権の制度をしっかり整備し、偽物づくりを取り締まらないと貴国は発展できませ

    模倣(パクリ)は創造の始まり――マイセン磁器の歴史
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