全国的にクマの個体数が増えている。人を襲うクマも出没するなかで、登山者がいますぐにできるクマ対策についてまとめた 春も終わり、冬眠から目覚めたクマたちの活動が活発になっている。今年もクマの出没のニュースが頻繁に報道されているのはみなさんもご存知のとおりだ。本格的な登山シーズンを迎え、私たち登山者ができる、準備すべきクマ対策について、専門家からのアドバイスを参考にまとめた。 文=山本 聡(山と溪谷オンライン)、協力=稲垣亜希乃(東京農工大学グローバルイノベーション研究院特任助教)、昆野安彦(フリーナチュラリスト) 2022年の夏、大雪山・白雲岳避難小屋の周囲に頻繁に現われた単独のヒグマ(写真=昆野安彦) クマとの遭遇 さて、そもそも山でクマに「遭遇する」とはどういう状態をいうのか。専門家の東京農工大学グローバルイノベーション研究院特任助教・稲垣亜希乃さんは、「おおよそ50m以内のクマとの予期