日本の面積の約7割は森林に覆われている。実は、日本は森林大国なのだ。しかし、長引く材木価格の低下などもあり、日本の林業は厳しい状況に置かれている。しかも、林業は他の産業では考えられないほど、収益化までの時間が長い。植林して十分に木が育ち、伐採して収益を得るまで少なくとも50年、長ければ100年以上の時間がかかる。 そんななか、注目を集めているのが自伐型林業だ。自伐型とは「自分で自分の森(もしくは決まった森)の木を伐る」林業のこと。ここで多くの人は疑問に思うのではないだろうか。「自分で自分の森を伐るのは当たり前じゃないか」と。 「儲からない」林業に参入する理由 日本では今、多くの山林所有者が森林組合に山の管理を委託している。というのも、第二次世界大戦後、日本では復興のために大量の木材が必要となった。そこで、木材の安定供給などを目指し、森林組合などの林業事業体がまとめて山の管理を請け負う流れが