著: 長澤るみ もともと、勢いと根拠のない自信で始めたバンドが続いていくとは思ってもいなかったけれど、この街で過ごした時間がなかったら、ギターを触ることすらなかったのかもしれない。そして、いまこうして「LIGHTERS」というバンドをやっていることもなかっただろう。この横浜という街で過ごしてきた時間は、わたしがつくる音楽を、わたし自身が納得できるものへと変えてくれたのかもしれない。 photo : Koki Nozue LIGHTERSを結成したばかりのころ、曲づくりやバンドの練習に行き詰まったり、自分の気持ちや心がわたしの中からなんとなく離れていくような気配を感じたりしたら、わたしは決まってJR横浜線・鴨居駅のそばにある鶴見川の河原に、少し重たい足を運んで時間を過ごした。川を見ている時間は、悩みや苦しみを忘れられる。ただただ過ぎていく時間に身を委ねられることが心地よかった。 行きつけのコ
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