『枕草子』や『方丈記』と並び、日本の三大随筆とされる『徒然草』。鎌倉時代末期(1330年頃)に吉田兼好によりまとめられた「つれづれなるまゝに」から始まる随筆です。 この徒然草の150段目の文章を現代文にしたものを落ち込んでいる時に読むと、とても元気が出てくるというのです。 まずは徒然草の150段目、原文からご紹介します。 能をつかんとする人、「よくせざらむほどは、なまじひに人に知られじ。うちうちよく習ひ得てさし出でたらむこそ、いと心にくからめ」と常にいふめれど、かく言ふ人、一芸も習ひ得ることなし。いまだ堅固かたほなるより、上手の中に交りて、そしり笑はるゝにも恥ぢず、つれなくて過ぎてたしなむ人、天性その骨なけれども、道になづまず、みだりにせずして年を送れば、堪能の嗜(たしな)まざるよりは、終に上手の位にいたり、徳たけ人に許されて、ならびなき名を得ることなり。 天下のものの上手といへども、はじ