日本は治安が良くて、安全で、豊かで、規律がしっかりしている。 東日本大震災の際には、あれだけの混乱の中でも、略奪などはほとんど起こらず、誰もが助け合いの精神をもっていた。そんなわれわれ日本人の態度は世界に称賛された。 それに、不況だといっても、GDPは世界3位。 こんな国が「世界一貧しい」などと言ったらバチが当たるかもしれない。 しかし、私たちは今の暮らしが本当に豊かで幸せだ、と心から感じているだろうか? その問いかけに対する答えは『日本が世界一「貧しい」国である件について』(谷本真由美/祥伝社刊)の中にある。 日本社会に「生きづらさ」を感じている人たちは多い。 仕事に追われ、組織に生活を捧げる。自分のための時間や家族と過ごす時間、さらには健康を犠牲にして忙しく働くサラリーマンは「社畜」と呼ばれる。 働く人のうつ病や自殺も社会問題化している。 若者は大学を出ても望む仕事にありつけず、将来に