これで「撃ち方やめ」になればいい――。安倍晋三首相は29日の側近議員との昼食会で、民主党の枝野幸男幹事長を巡る政治資金の問題が発覚したことを受け、こう述べた。野党の追及が弱まることを期待した発言だが、かえって反発を買う可能性もある。 昼食会は自民党本部で開かれ、首相と親しい自民党の萩生田光一総裁特別補佐、山本一太前科学技術担当相が同席した。この日は枝野氏の関係政治団体が、新年会の収入約244万円を政治資金収支報告書に記載していなかったことが話題になった。「収支報告書などの凡ミスみたいなものがないよう、事務方にも精査してもらおう」といった確認もしたという。 出席者の一人は昼食会後、記者団に「与野党の誹謗(ひぼう)中傷合戦は美しくない」と語った。