殺人事件などの凶悪犯罪では、被害者家族には公的なサポートが広がりつつある。一方、加害者家族の場合はどうか。長年にわたり加害者家族を支援し、『家族間殺人』(幻冬舎新書)を書いた阿部恭子さんに聞いた――。(第2回/全3回) 「重大事件の容疑者家族は保護できない」 (第1回から続く) ――阿部さんは、犯罪加害者の家族支援のひとつに報道対応をあげていましたが、具体的にはどんなサポートを行うのですか? 私たちが報道対応を本格的に実践したのが、「野田市小学4年女児虐待事件」からです。 2019年1月下旬、千葉県野田市のアパートで、父親から凄惨せいさんな虐待を受けた小学4年生の女児が亡くなりました。前年にも東京都目黒区で、少女の虐待死事件が起きていたために、社会的な注目を集めて報道が過熱しました。そして世間は、被害者に同情し、加害者、そして加害者家族を激しく糾弾しました。 事件の報道後、私は、父親の妹、
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