今回も井原西鶴の作品を紹介したいと思います。 今回紹介するのは、『懐硯《ふところすずり》』(貞享四[一六八七]年刊)という作品です。 『懐硯』は、伴山《ばんざん》という半分一般人で半分法師のような人物が、諸国を旅してそこで見聞きした話をまとめたという設定の、短編小説集です。 今回は、前回紹介した話と関連がある、巻一の五「人の花散る疱瘡の山」という話を紹介するわけです。 ※下に現代語訳と解説があります。 懐硯. 第1 - 国立国会図書館デジタルコレクション ※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しております。 ※画像は拡大できます。 【原文】 人の花 散《ち》る疱瘡《はうそう》の山 「懸崕《けんがい》嶮《けわ》しき處《ところ》生涯《しやうがい》を捨つ。 暮鐘《ぼしやう》孰《たれ》が爲《ため》に帰家《きか》を促《もよふ》さん」 扇子《あふぎ》に空《むな》しく
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