まず中央アジアのウズベキスタンに飛び、そこから移動してキルギスの国立病院で手術を受けるのだという。小沢さんの手術の手続きをした医師は、執刀外科医について「臓器移植の最高のドクターの1人です」と渡航前に説明している。また、小沢さんが受け取った資料にも、現地の医療体制を称賛する記載がある。 「担当は『カタールの軍医』と名乗るエジプト人医師でした」 《経験豊富なインド人外科医(英国にて医学博士号取得)とトルコ人外科医(英国にて医学博士号取得)を中心にした移植チーム》 《私が信頼しているDr.Aに紹介状を出します。Dr.Aが現地移植チームと詳細を打合せします》 小沢さんはこうした記述を信じて渡航を決断したが、そんな“最高の移植チーム”は幻だったことが、現地に入りすぐに発覚する。小沢さんは憤りながら話す。 「執刀を担当するA医師本人が空港にピックアップにくると聞いていましたが、『OZAWA』と書いた
「6時間の聞き取り調査で自ら認めた」炎上アカウントの正体 在日ウクライナ人政治評論家のナザレンコ・アンドリー氏が<人類史上、最も人を殺したカルトは「共産主義」という>と投稿したところ、桜ういろうは次のようにリプライを送った。 <日本人は満州や朝鮮で、ソ連人に強姦され虐殺されました。日本人にとってナザレンコ・アンドリーさんの祖国ウクライナもまた加害者なんですよ> <お金が欲しいのは仕方ないかもしれませんが、どうかインチキ宗教のお金目当てで日本人を扇動するのはやめてください> 加えて、ナザレンコ氏の住所などの個人情報を拡散するなど、明らかに度を超えていた。 このほかにも、櫻井よしこ氏について「侵略国ロシアの広告塔」と揶揄したり、「ネトウヨ(ネット右翼の略称)は知識が足りない」と一般ユーザーを手厳しく批判したりしていた。 良識に欠けた発言の数々――。桜ういろうは果たして本当に共同通信社の記者なの
フェミニズムの旗手にして、おひとりさまの生き方についてベストセラーを著してきた上野。2年前、彼女は、ある男性を介護の末、看取る。「結婚という制度がイヤ」と公言してきた上野は、彼と密かに入籍していた。 東京都心から西に約170キロ。八ヶ岳高原ラインを抜けると、あたりの風景は一変する。大滝湧水が溢れ、眼前には南アルプスの山々が迫る。高原野菜農園やニジマスの養殖場が八ヶ岳南麓の日常風景だ。 集落の一角にエメラルドグリーンの山荘が建てられたのは、今から25年前の夏のこと。針葉樹林に囲まれた山道「唐沢木漏れ日通り」には、間もなく好一対の男女の姿が頻繁に目撃されるようになった。20余り歳上の男性に寄り添っていた女性は、フェミニズムの旗手で社会学者の上野千鶴子氏(74)だ。 上野千鶴子氏 「当時から彼女は月に2〜3回、勤務していた東大のある文京区本郷から八ヶ岳に通っていました。愛車のBMWで深夜に出発し
世間で流布する「働かないおじさん」という言葉。こうした流行り言葉は、ときに当事者たちに“多大な悪影響”を招くことをご存知だろうか? 50代おじさんたちが立たされている窮地、そして過剰な「働かないおじさん」報道の問題を、健康社会学者の河合薫氏の新刊『50歳の壁 誰にも言えない本音』より一部抜粋してお届けする。(全3回の1回目/#2、#3を読む) 働かないおじさんは「呪いの言葉」 「働かないおじさん」という世間に流布する言葉は、ただの言葉ではありません。人の内面に入り込み、周りに伝染させる威力を持つ、「呪いの言葉」です。 「あれこれ試してみたんですが、ダメですね。っていうか、客観的に見ると、私も何もしていないと思われているんじゃないかって。私がここにいること自体がお荷物なのか? 周りとか関係ないと思えば思うほど、気になってしまうんです」 こう切り出したのは、某大手企業に勤めていた白木さん(仮名
かつて中国大陸を支配していた中華民国は、1949年に国共内戦に敗れて台湾に逃げ込んだ。彼らは1990年代末に民主化・台湾化して国家を変質させたが、いっぽうで国防や情報などのハード面では過去の記憶と経験が色濃く残っている。中原から見て辺境の地に拠り、「中国の正統」を受け継いだ亡命政権として、中華圏の世界では三国志の「蜀」(漢の滅亡後に劉備が四川盆地で建てた王朝)にたとえられることも多い。 そんな中華民国――。すなわち台湾の国防の世界には、やはり「蜀」らしく孔明(諸葛亮)や龐統や徐庶っぽい雰囲気をまとう軍師たちがいる。彼らは日々、自国をおびやかす強大な「魏」(中華人民共和国)の情勢を分析したり、相対的に弱い自分たちの国を守る策を練ったりしている。(全2回の1回目/続きを読む) 中華民国の国旗・青天白日満地紅旗。現代の中国大陸では、時代劇の描写を除けば掲げることがタブー視されることも多い旗だ。台
テレ東関係者が語る。 「高橋さんらしい、型にはまらないコンテンツ作りが今の時代に合っていました。特に、2ちゃんねる創業者のひろゆき氏とイェール大学助教授の成田悠輔氏をメインパーソナリティに据えた『Re:Hack(リハック)』が大ヒット。日経新聞の“お堅い”イメージをいい意味で打ち壊すことに成功したのです」 成田氏とひろゆき氏 高橋氏は今年1月、ウェブサイト「TOKION」のインタビューで「日経テレ東大学」の今後の展開についてこう意気込んでいた。 「本当の大学みたいなものができたらおもしろいなと思っていて。多くの人はイェール大とかハーバード大の教授の授業を受ける機会ってないじゃないですか。だから『日経テレ東大』のリアルなスクールができたら、若い人が来たくなるんじゃないですか」
卒業式を終えた早大生たちが赤ら顔で練り歩く夜の東京・高田馬場。酔客が行き交う駅前ロータリーで怒号が響き渡ったのは、日付を跨いだ3月26日未明のことだった。5、6人の警察官を相手に大立ち回りを演じていたのは――。 関係者が“事件”の顛末を明かす。 「深夜1時半過ぎ、タクシーの乗車を巡り、早大4年の学生と20代の会社員との間でトラブルが発生したのです。つかみ合いの末、交番から警察官が駆けつける事態に。会社員が『イヤホンを壊された』と主張したため戸塚署で双方の事情聴取を行うことになった」 そんな中、興奮しきった学生の口から飛び出したのは、こんな発言だった。 「俺の親父は総理秘書官だぞ! お前ら、所轄のお巡りは高卒だろ!」 それから数十分後、同署に駆けつけ深々と頭を垂れたのは、経産省出身の荒井勝喜(まさよし)総理秘書官(54)だった。
「秋本氏は千葉県の富里市議時代、法政大の大学院に通っていました。そこに特別講師として現れたのが、“脱原発”が持論の河野太郎氏(現デジタル相)。その河野氏から『お前、国会議員になれよ。俺と一緒に働こう』と誘われ、国政への転身を決めたそうです。以降『河野太郎はアニキ』と公言し、“河野最側近”として永田町では知られてきました」(政治部記者) 2020年出版の著書『自民党発! 「原発のない国へ」宣言』には、河野氏が「自民党一の『脱原発』男だ」と推薦文を寄せている。2021年の総裁選でも、河野選対の中枢を担っていた。 その秋本氏が代表を務める「自由民主党千葉県第九選挙区支部」は2013年度以降、千葉市北部に位置するJR都賀駅から約2キロの場所に事務所を構えてきた。約120坪の敷地に佇む2階建ての建物には、秋本氏のポスターなどが貼られている。 問題の地元事務所 ©文藝春秋 ただ、事務所は、千葉市が定め
「みんなはどこまで喋ってるの?」 まずこれまで取材に応じてくれた元隊員の名前をあげながら小山に取材意図を説明した。世の中からは時として半笑いにされていた川口浩探検隊かもしれないが、そこにエネルギーがあったことは確かではなかったか。そして視聴者のテレビを楽しむメタ目線を生んだのは、この番組の功績が大きいのではないか、と。 すると小山は我々にこう尋ねた。「みんなはどこまで喋ってるの?」 これまで語ってくれた元隊員たちとは異なる言葉の響きにゾクッとした。 「探検隊についてはね、これまでも何度か書籍化しようという動きがあったんですよ」いきなり初耳の話である。いつ頃の話だろうか。 「番組が終わってからすぐ。そのあとも何回か話があったんですよ。探検隊のDVDシリーズ(2005年)が出たあとにも気運があったけど、事件があってヤバいとなったんだよなぁ」 小山が語る事件とは「テレ朝、1億3000万所得隠し…
注目の裁判がいよいよ佳境を迎えている。 グラビアタレントの熊田曜子(40)らと実業家の夫A氏との間で争われている民事訴訟だ。A氏は、2021年10月に提起したこの裁判で、熊田による「不貞行為」で受けた損害賠償金などの支払いを求めており、1月23日、2回目となる口頭弁論が開かれた。 「ウーマナイザー」から検出された「証拠」の信用性を巡った攻防戦 「コロナの感染拡大の時期と重なっていた影響もあり、これまでの裁判は書面のやりとりをウェブ会議を通じて行う“リモート形式”で行われてきました。なので、最初の口頭弁論を除いて原告、被告の双方が法廷に立つのはこの日がほぼ初めて。一連の騒動では、夫のA氏が熊田への暴行容疑で警視庁に逮捕されるなどの波乱もありました。注目度の高さを考慮してか、裁判所が傍聴券配布も予定。熊田が所属する芸能事務所の社長も傍聴に訪れていました」(司法関係者) 裁判で、A氏は熊田と、そ
「性被害を告発していた元女優が自ら命を断ちました」 小誌記者が映画関係者からこんな訃報を聞かされたのは年が明けて間もなくのことだった。 小誌は昨年3月から、映画界、芸能界における女優の性被害の実態を足掛け3カ月にわたって報じた。 複数の女優たちが監督や俳優、プロデューサーから性行為を強要されていた過去を詳細に証言。業界で長年覆い隠されてきた問題に一石を投じた。 報道後、是枝裕和氏や西川美和氏など日本を代表する映画監督らが「映画監督有志の会」を結成。「映画監督の立場を利用したあらゆる暴力に反対します」と声明文を発表し、文化庁にも要望書を提出するなど動きは広がった。 こうしたムーブメントを起こした力は、誌面に登場し、告発した女優たちだけによるものではない。 映画監督の榊英雄氏による性加害報道を受けて、被害を告白 報道が出た後、SNSやブログなどで自らの性被害を告白し、「#MeToo」に連帯した
第72期ALSOK杯王将戦七番勝負第1局は藤井聡太王将も羽生善治九段も存分に持てる力と技を駆使して、素晴らしい将棋だったが、大阪府高槻市の「摂津峡花の里温泉 山水館」で行われた第2局はそれ以上の名局だった 羽生の先手で相掛かりに。令和の相掛かりは形が多種多彩にわたるが、羽生が誘導したのは、2021年9月の藤井-横山泰明七段のB1順位戦と同一だった。後手の藤井が自陣角を打って盤面を制圧するというアイディアを見せて快勝し、そのまま定跡となり、その後数局指されている。羽生はあえて藤井の守備範囲に飛び込んでいったのだ。 第1局の感想は「なんなんだこの2人は」 両者の念頭にあったのは、今季のA級順位戦の豊島将之九段-斎藤慎太郎八段戦だ。先手の豊島が角を盤上から消すという工夫で勝っている。途中までその将棋と同様に進むが、藤井が手を変え、羽生が端から戦端を開き、飛車交換となる。
B子さんが「引っかかった」というのはこの一文だ。 「《記事に掲載されている女性に対して大変なご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます》とありましたが、『報道された女性だけ? 私は?』と。表沙汰になっていない人に対して、元から存在してなかったような一文ですよね。本当に悲しかったです。 それで、これまでの経緯を説明して、謝罪をしてほしいと櫻井さんに連絡をしたんです。でも、その対応からは誠意がまったく感じられなくて……」 またしても明らかになった櫻井の“同時並行恋人”の存在。櫻井のB子さんへの「不誠実な対応」を明らかにする前に、まずはB子さんとの関係を振り返ってもらった。(全2回の1回目/続きを読む) ◆◆◆ きっかけは「誕生日に渡した手紙」 B子さんが櫻井に出会ったのは2005年。仕事がきっかけだったという。 「当時、すでに櫻井さんは超がつくほどの人気声優でした。声も演技も素晴らし
持ち堪えるウクライナ軍 例えば開戦の少し前、米CSISのエミリー・ハーディングは、次のような戦争の想定シナリオを発表していた。ウクライナがNATOの支援を得られるかどうかを縦軸に、ロシアの侵攻規模がどのくらいのものとなるかを横軸に取ってマトリックス化したもので、NATOの支援が得られない場合には、ウクライナはロシアの支配を受け入れるしかない、というのがその基本想定である。 また、NATOの支援が得られた場合でも、ウクライナ軍が組織的な抵抗を行うことはほぼ不可能であって、軍隊をゲリラ部隊に改編して、NATO加盟国を後背地としながら反乱作戦(insurgency operation)を行うしかない、というのがハーディングの結論であった。(表1、Harding,2022.2.15.)。 ロシアの侵攻開始前後に米国が行った対ウクライナ軍事援助も、このような見立てに沿って行われたものであるように見え
同氏の少年愛は以前から噂にはなっていたもののタブーとされていた。1964年にジャニーズ事務所が新芸能学院と授業料の支払いを巡るトラブルで裁判となった際に彼の性的虐待も公になったが、当時は同性愛へのタブー視と重なり、口にするのは憚られていた。 週刊文春は一連の告発キャンペーンで、ジャニーズ事務所の教育的配慮の欠如や不公正な労働条件、不当な報酬配分などの人権蹂躙を指摘。好奇心を煽る単なるスキャンダルとしてではなく、声なき弱者の声を拾い、事実を可能な限り客観的に伝え、世に問うことが主眼だった。 「なぜ、日本のメディアは取り上げないのか」 BBCは以前からこの報道に関心があり、22年夏にロンドンから取材のために来日。当時取材班のひとりだった筆者は、文藝春秋で元同僚と共に撮影インタビューを受けた。 ジャーナリズムを専門に学び多くの取材現場を経験した優秀なBBCのスタッフは記事を熟読・研究しており、独
2016年3月、埼玉県川口市の飲食店内で同店従業員の男性を殺害したとして殺人の罪で起訴されていた指定暴力団六代目山口組傘下組織組員、島田一治被告(55)の裁判員裁判の判決公判が12月20日にさいたま地裁で開かれ、中桐圭一裁判長は求刑通りの懲役20年を言い渡した。 男性の遺体は見つかっていない。魚をミンチにする機械でバラバラにされたのち、焼却されているからだ。稀に見る壮絶な態様であるものの、死体損壊・遺棄については時効が成立しているため、遺体の解体に加わった関係者らは罪に問われていない。 事件当時、店には複数の人間がいたにもかかわらず、殺人罪で起訴されているのは、島田被告だけだ。 公判は波乱含みだった。当時店にいた関係者らが次々に証人出廷し、男性が死に至るまでの様子、そして遺体を遺棄するまでが語られたが、そのうちの1人から「別の人間が首を絞めていた」と、被告以外の人間が男性を殺害したという発
「会社から各店舗に対して、『12月も暖房の使用を控えるように』との趣旨のお達しがありました。雪が多い地域の店も一律です。もともと冷暖房使用に厳しい社風で、春や秋は禁止ですが、今年は『節電』を理由に12月も解禁しなかったんです。夕方以降は極寒で凍えそうです」 都内の店員Bさんもこう語る。 「お客さんから『寒すぎる』と何度もクレームが来ました。しかし、上の命令には逆らえず、使い捨てカイロで耐えています」 例外的に使用が許されることもあるが、障壁があるという。東海地方のパート店員Cさんが事情を話す。 「店長から地域の責任者に『寒い』と相談すると、一時的に最低限の19度とかで許可が出ることもある。しかし店長も会社の方針との板挟みになって、上にはなかなか言えない。結局、みんなで我慢しています」
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