クラブと風営法の問題をテーマにした書籍『踊ってはいけない国』シリーズなどの著者としても知られる磯部涼氏と、細野晴臣が世界各地で出会った音楽について綴った『HOSONO百景』の編者である中矢俊一郎氏が、音楽シーンの“今”について独自の切り口で語らう新連載「時事オト通信」。第2回目のテーマは“日本の不良映画”について。今夏に公開されて話題を呼んだ『TOKYO TRIBE』と『ホットロード』の2作品と、それにまつわる音楽から、80年代半ば~現在までの不良文化について計3回にわたって語り尽くす。前編では『TOKYO TRIBE』を軸に、90年代のヒップホップ文化やチーマー文化について掘り下げた。(編集部) 中矢:最近、『TOKYO TRIBE』と『ホットロード』という不良映画が話題になっていますよね。今回は、その2作にまつわる文化や音楽について話していければと思います。まず、前者は、93年に始まっ