音楽ライターの磯部涼氏と編集者の中矢俊一郎氏が、音楽シーンの“今”について語らう新連載「時事オト通信」第1回の後編。前編【磯部涼×中矢俊一郎 対談新連載「グローバルな音楽と、日本的パイセン文化はどう交わるか?」】では、日本のヒップホップ文化全般のあり方を、ヤンキー社会に顕著な“パイセン文化”という観点から読み解いた。後編では、海の家のクラブ化問題や危険ドラッグについて、さらにEDMブームのグローバル性まで、音楽と社会に関わるアクチュアルな問題について議論を深めた。 海の家のクラブ化問題 中矢:ところで、去年の夏はテレビなどで「海の家のクラブ化」が社会問題になっているとよく報じられましたよね。そんな海の家で流れているのも、今はEDMが主流なんですかね? 磯部:EDMでもJ-POPでも、とにかくアガるものだったら何でもかかるって感じだと思うよ。クラブ・ミュージックと海の家の関係っていうと、レゲ