上場企業幹部の高額報酬を制限できるかどうかを問う国民投票が3日、スイスで行われ、賛成約68%で可決した。今後、憲法改正の手続きを経て、経営陣らの報酬や退職金に上限を設定できるようになるなど株主の権限が強化される。 スイスの制度では大企業のトップらの報酬について、株主がほとんど関与できない。リーマン・ショックや欧州債務危機を通じ、企業の業績が落ち込んだ際の高額報酬の支払いに株主の不満が噴出し、国民投票が行われることになった。 最近でも、製薬大手ノバルティスのバセラ会長が退任するにあたり、6年間で最大7200万スイスフラン(約71億円)を受け取ることで会社側と合意したことが問題視された。退任後の競合他社への移籍阻止が目的だったが、バセラ会長は批判を受け、受け取りを辞退することになった。(共同)