【格闘王・前田日明と「リングス」の曳航 Vol.4】幻のヒクソン戦、奇跡のカレリン戦、そしてPRIDEとの相剋 写真=尾藤能暢 【「天涯の標」Vol.1はこちら】 【「天涯の標」Vol.2はこちら】 【「天涯の標」Vol.3はこちら】 1993年に世界の格闘技界を駆け抜けた衝撃。アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ(UFC)第1回大会は「目潰しと噛みつき、金的攻撃以外は何でもあり」のルールと、優勝を奪い取ったホイス・グレイシーの闘いぶりで注目を集めた。先行した総合格闘技団体が「バーリ・トゥード(何でもあり)」ルールへの対応を迫られる。その波は漸進的な変革を目指してきた「リングス」にも容赦なく押し寄せた。内外の他流試合でネットワークの選手が実力を証明する中、ファイター前田日明に残された時間はわずかなものとなっていく――。 髙田延彦の仇を討つ 前田日明は1998年、引退の意向を発