「Design Insights ~もっと建築が楽しくなる~」は、日本設計が携わった建築物において、設計担当者らのこだわったポイントを紹介するコーナーです。 今回は、東京 メトロ南北線の白金台駅近くの「港区立郷土歴史館等複合施設 ゆかしの杜」(以下、ゆかしの杜)をご紹介します。 撮影:翠光社 郷土歴史館やがん在宅緩和ケア支援センター、子育て関連施設などが入る複合用途の公共施設です。郷土歴史館では港区の歴史や文化を紹介する常設展のほか期間限定の特別展・企画展が開催されています。カフェやミュージアムショップもあり、建物は無料で見学できます。 建物は日本の公衆衛生の向上を目的とした研究機関「公衆衛生院」として、1938年に東京大学建築学科教授の内田祥三氏によって設計されました。公衆衛生院が2002年に埼玉県に移転すると長らく閉鎖されたままでしたが、港区は2011年に建物を保存しながら活用すること