埼玉県内を中心に生活困窮者を対象とした宿泊施設を営む男が所得税約6381万円を脱税したとして、さいたま地検特別刑事部は2日、所得税法違反容疑で、さいたま市南区四谷、会社役員、和合(わごう)秀典容疑者(72)を逮捕した。 逮捕容疑は平成21、22年、入居者から徴収するなどして得た約1億7500万円の所得があったにも関わらず、他人名義の口座に入金するなどの手口で、2年間の所得を計316万円と偽り、計6381万円を脱税したとしている。 和合容疑者は、劣悪な環境に住まわせて生活保護費を搾取する「貧困ビジネス」の手口で宿泊施設を運営していたとみられる。元入居者らは23年、毎月12万円の保護費を施設に住居費などとして搾取され、手元に2万円程度しか残らなかったなどとして、保護費の返還を求めさいたま地裁に提訴していた。