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ブックマーク / www5a.biglobe.ne.jp/~t-senoo (1)

  • 全島一万人、史上最大の脱出作戦

    大噴火から4時間、スピードを上げた溶岩流は、元町まで数百mの地点まで迫っていた。一刻の猶予もなかった。その時、港にいた島民は1200人。溶岩が押し寄せるまでに全員が船に乗ることは、不可能だと思われた。秋田は、島民を別な港に移す決断をした。移動できる港は、元町から15km離れた波浮の港だった。しかし、その途中は、切り立った海岸沿いの細い道が続き、落石の危険があった。さらに波浮は、大昔大噴火を起こしたことがあり、不安もあった。しかし秋田は、波浮への移動にすべてをかけた。移動には、東海汽船の路線バスを使うしかなかった。すぐに、元町港に残っていた38人の運転手が集められ、支店長から計画が伝えられた。そして最期にいった。「みんなやってくれるか。自分も避難したければ、してもいいよ」と。 運転手の中で最も若かった三田は、任務の重大さをかみしめて、すぐにバスに乗った。三田は新婚だった。波浮についたら、いっ

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